初めての方へ

はじめまして。
ANTELOPEのブルワーをやっている谷澤(やざわ)です!
滋賀県の野洲市という場所でこれからクラフトミードやクラフトビール、面白いお酒をたくさん作っていきたいと思います!今後の動向を楽しみにしてもらえると嬉しいです📙

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このブログでは、醸造知識という非常にニッチな内容を中心に幅広くミード、ビールの魅力を発信するコンテンツを配信しています。どうしてそんなことを書く経緯にあたったのかの敬意と、最期に僕自身の自己紹介をしていきます🙋

醸造技術を発信する理由

醸造技術やその他のコラムを発信する理由は3つ

①手軽にブルーイングに興味を持てるようにするため
②しっかりとした醸造理論を知るきっかけを増やすため
③お酒造ってみたい!という気持ちを全力で応援するため

このブログやSNSで醸造技術を紹介するに至った理由や背景を説明していきたいと思います。

①手軽にブルーイングに興味を持てるようにするため

情報が少なすぎて”簡単な気持ち”で醸造に触れずらかった

これは僕がブルワーになると決めたときに感じたことが一番の要因ですが、ブルワーの実態やビールの作り方自体の情報がブルワー業界の中だけでクローズしすぎだなと思いました。業界の中では非常に横のつながりが強く、情報共有も活発ですが、それが一般の方に向いてないのは新しい風は吹きづらいんじゃないかと思って。

幸い、僕自身は受験英語くらいなら読むのはある程度できまして、海外の文献や書籍から一般的な醸造知識は学ぶことができました。でもこれから日本に醸造科学を広げるとなったとき、ブルワーを目指す人に英語を読んでもらうのはちょっと現実的じゃなくて、自分が日本語で解説できたらいいんじゃないかと。というより、自分が醸造知識を説明するブログがあったら助かるな~と思っていました!笑
ブログで醸造知識の流れを読めたら、”あ~なんとなく自分にも美味しいビール作れそうだな~”、"お酒作りってこんなに奥が深いんだあ~”など興味を持つハードルがぐっと下がるはずかなと。これはこれからのブルワーが出てくるうえで本当に大事なことだと信じています。

という訳で、これからブルワーになろうかなと考えている人、今ブルワリーで研修中の人たちが少しでも醸造知識の深みに触れやすくなれば幸いです。ですので、質問や議論はもちろん大歓迎です!たくさん疑問をぶつけあってこそ楽しいと思い〼!

②しっかりとした醸造理論を知るきっかけを増やすため

理論と経験のバランス

日本には下積み経験を非常に美徳に思う文化があり、それによってさまざまな素晴らしい技術が伝承されてきました。すし、てんぷら、おちゃ、など。それ自体は全く否定しませんし、”感覚/感性”が極めて重要な世界において、トッププロの近くで技術を見れるのは貴重なはずです。

しかし、ことミードやビール醸造においてはどうでしょうか。

上の職業とは少し毛色が違って、感覚的なものよりも理論的なものが占める割合が増えてくる印象があります。どうしてかというと、これらの醸造酒は出来上がりの反省をするのに約1か月かかります。タイムスパンが長すぎて、経験のみで反省を繰り返しても時間がいくらあっても足りません(経験が大切じゃないといってるわけではないのですよ!)。そこでより精密な理論が必要になってきます。この理論などは、ブルワリーで学ぶよりも自分で学ぶ方が身に付きやすいと思います。

ブルワリーでの仕事が意味を成すのは、機械の動かし方や、メンテナンス、雑務、安全確認など包括的なものを学ぶ上でです。醸造知識がない状態で仕込みから見ても、何がどういう意味をもたらすのか理解すらできないと思います。学べることは多いのですが、何年も学ばないといけないかと言われると疑問です。1年間の動きを見れば、あとは自分でどうにかできるのでは?とすら思ってしまいます。

では理論はどこで学ぶかと言えば、結局英語文献になります。なぜかというと、圧倒的に量が多いからです。日本語は書籍自体も少ないから比較しようがないし、内容も最新の情報が入ってはきてないのかなーと。入ってきてても、アクセスしづらいとかね。
そこで、僕のブログではなるべく海外の面白いなと思った記事や勉強になった記事を日本語で発信出来たらなと思います。

お酒造ってみたい!という気持ちを全力で応援するため

ブルワリー立ち上げまでを綴る

これは夢であって、まだ先の話ですが、ブルワリーを立ち上げるまでの道のりが文章で残せたら、きっと独立する手助けにもなるのかなと。
(2021年6月頃にはantelopeという自分の醸造所が立つ、、、!)

やっぱり自分のレシピで、自分のミード、ビールを作りたいという夢は果てしなく、それは真の意味でヘッドブルワーにならないと実現できないのかなと思っています。そんな夢を応援する人を自分の経験で何か力になれば、それだけで十分です。

ということで、あとは昔の自己紹介が残っててエモかったのでまんま載せます笑

昔の自己紹介

僕がブルワーを目指したのは、オレゴン州ポートランドに1か月滞在していたことがきっかけ。かっこいいブルワーたちの姿を見て、事故うんぬんじゃなくて自分の好きなこと一生懸命やろうと決めた。

醸造技術やその他のコラムを発信する理由は3つ

①手軽にブルーイングに興味を持てるようにするため
②下積み中にもしっかりとした理論を学べる機会を増やすため
③独立したいときの後押しができるようにするため

この3つです。どれもすごく大切。達成したいことは一つで、日本にクラフトビール文化がしっかりと伝わること。できたら最高なのは、ビール醸造大学ができて、研究機関が沢山できること。何年かかるかわからないけど、できたら本当に感動。

では、ここからは僕の自己紹介になります。長いですが、興味がある方は是非呼んでいただけると幸いです。

About me

僕個人の自己紹介から、説明します。

平成6年の6月27日生まれのかに座,B型です。東京都八王子市で末っ子次男坊として生を授かりました。大学で京都に引っ越してきて大学生活を謳歌しました。学部は農学部経済学科。もともとは地球の温暖化は自分が止めるしかないと思っていて、砂漠の緑地化研究をしたいと思っていたんです。しかし、残念なことに頭のねじがたくさん外れてて、受けた記憶のない”経済学科”に入学してました。そうとなっては、遊ぶしかないと、体育会にバイト、酒に麻雀に明け暮れてました(経済学科じゃなくてもこうだったろうね)。ちなみにバレーボール部で、センターをしていました。

色んなことを経て、学士論文を書くところまで進学できました。”好きなことをやりなさい”の一言に逆に戸惑います。あれ?好きなことってなんだろう。ラーメン?麻雀?飲み会?楽しいことしかしたくない、そんな世界で学部3年間を過ごしているのだから世の中に不満など一切ないし。あるとすれば、月に一回は必ず払う家賃3万5,000円くらい。
とりあえず近場で何か面白いことやってないかと調べていたら、京都市与謝野町で2015年から"国産ホップ栽培”を行ってますと。商業販売用に市が協力してやるのは日本で初ですよと。あれ?ホップってビールの原料やんな?

brewswagより

稲妻みたいでした。これしかない!と。だってサッポロ黒ラベルめっちゃ好きやし!と。この論文活動をきっかけにクラフトビールという文化と出会うことになります。結果としてはすごく良い内容の論文が書けたし、なによりも素敵な文化を肌で感じたのがでかかった。そのときに、The Malt Shop のスコットさんとも出会うことになります。ここからHomebrewという存在を知ることに。

卒論と並行して就職活動も進んでいくわけで、まともや”やりたいことは?”の問い。22歳の若者に人生をかけてでもやりたいことが見つかってるはずもなく(探してなかったからだけど)。あれはこれはと考えて、ビールのことしかやりたくない!と。大手ビール3社と金に目が眩んで味の素を受けました。志望動機なんて、ビールが好きだからの一点張りですから受かるはずもなく。味の素は、フルーツグラノラが好きだからの一点張りです。

結局教授の勧めで大学院に進みました。
テーマは”クラフトビール文化における発展の違い~オレゴン州ポートランドと日本の比較~”

好きなことをテーマにひたすら勉強していたかと思えば、ビールを飲んで、Homebrewを勉強して、ひたすらバイトしてました。江戸っ子なのでもらっとバイト代はその月中に使い切ってました。そんなことはどうでも良くて、修士1年の真ん中くらいからまた就活の波です。文系の大学院という現実を見ると、大手の研究職は無理やし、コンサルくらいしか道はないかな~とか一時期道に迷います。でも、色々見ていくうちに”若いうちから大きな会社の偉い人と交渉できる””金には困らない”とかまじで興味ないのに気づきました。やりたいことやりたいな~ということで、ここで初めてクラフトビール会社でビールを作りたいと考え始めました。

その頃はベアードさんだったり、箕面さんだったり、志賀高原さんだったり、大きいところしか見えてませんでした。大きいところで修行して、自分のブルワリーを出すのが筋だなという考え方しかなくて。ここには、このブログを書こうと思ったきっかけになる”ちゃんとした醸造知識を学べる場所が日本にない”という問題も絡みます。

転機1:Traffic Accident

2018年1月4日16時、緊急入院。

最も大きな人生の転機を迎えます。三が日を実家の八王子で過ごし、帰京した初日に大きな交通事故に巻き込まれました。詳細は語りませんが、顔面の骨が4本と右足首の骨が真っ二つに折れました。

まるまる3か月の入院を果たして、退院となりましたが、結構色んなものを失った感覚で。もう一生バレーボールはできひんし、体力仕事のブルワーなんて余計に無理なんじゃないの?と。僕以上にポジティブな人間ってあんまりいないと思うんだけど、それにしてもやっぱりちょっとだけ凹んだ。

でも、幸いなことに休学する理由ができました。何にしても良い。何しなくても良い。

転機2:In Portland

Public Typing Sta.

2018年8月1日。オレゴン州ポートランドに1か月滞在。

一応大義名分は研究で、専攻教授の実家がアメリカのポートランドにあるよという話から”旅”の支度は始まりました。やることは、ひたすらブルワリーやブルーパブを回ってインタビューやアンケートを採りまくるという。

まさにこのアンケートを取ってました。でもこのアンケートは今後使用されることは一切ありません。帰国したときには、既に大学を辞める決意を固め、ブルワー/brewer として生きていこうと踏ん切りがついたからです。ポートランドのお話はいつかどこかで。そのときお薦めされて買ってきた僕のバイブルが How To Brew という醸造本で、僕の醸造学の根底になります。

ポートランドはアメリカ西海岸オレゴン州の都市で、その多様な文化、自然と都市機能が一体化したあたりなどを評価されて近代化にきちんとした成功した都市モデルとなっています。クラフトブルワリーの多さから"Beervana/ビール天国"などと呼ばれたりしています。そこで出会った数々のブルワーや、町の人に刺激されて、こんなにかっこよくて素敵な職業はないなと震えました。迷いなんて一切なく、インタビューのときから” I would like to be a brewer in the future."って話してました。

研修と今:ブログとの出会い

帰国後はどこかで修行しないとなと思って、場所を探しました。志賀高原のTeppa room という直営店のビアパブでホールスタッフを3か月やりました。工場にも一回見学に行ったんですが、大きすぎてちょっとピンと来なくて。もっとスモールでやりたいなと気づきました。

実はこの頃から、ブログで醸造知識を発信することを始めました。ブログを始める経緯は下の方で書きますね。

志賀高原を下って、今度は静岡のOctagon Brewing で2か月間ちょっとの研修を行いました。千葉さんというドイツでガチガチに勉強された方に色々丁寧に教えていただいて、これ以上ない経験になりました。座学を実態に移すことをここで初めて行させて頂き、こんなに貴重な経験はありませんでした。最後は僕のわがままで別な醸造所も見たいというお願いで、研修先を掛川ビールに変更しました。

掛川ビールのヘッドブルワーの西中さんはベルギーで醸造家をされていた方で、千葉さんとはまた違った醸造哲学を持っています。どう違うかを説明するには長すぎますが、お互いをお互いにリスペクトしながら研鑽しあう姿勢は本当に素敵で大事にしたいです。そうして約半年の静岡県での研修を終えることになります。今の僕の基礎は、間違いなく千葉さんと西中さんの教えと、How To Brewで出来ています。異なる流派を短期間で学べてこんなに恵まれた研修生活も珍しいかもです。

そして、静岡の研修中に一度関西に戻ることがあって、そのときに大阪のMARCAさんのビールを飲みに行きました。そこでまたもや素晴らしくファンタスチックな出会いをします。

今の会社ANTELOPEのCEOを務めるshunさんと出会いました。

”ビール作りたい””面白いことしたい”

この想いで集まった二人の会社は今後どんな方向に進んでいくのでしょうか。僕たちが一番わくわくしています。どんどんと活動報告ができたらなと思います。

これで長い自己紹介はいったん終わります。

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