お酒のことはよくわからないけど、かわいい名前があると何か楽しくて、お酒って面白いなってなる人も多いかもしれない。今日はそんな人たちにむけて可愛い名前を紹介したいと思います。
フムロンとフルポン。
ビールを作るときにはホップという植物を使うことがほとんどです。このホップの匂いに魅せられて、クラフトビールが好きになっていく方も多いですよね。実はこのホップは熱を加えてあげると、苦くなります。それは、ホップに含まれるアルファ酸という成分が熱によって変化するからなんです。その変形したあとの名前をフムロンと言います。
【ホップの苦み 主役】
アルファ酸→(熱)→フムロン
このフムロンがビールの苦み成分であることがほとんどなんですが、実は陰に隠れてもう一つ可愛い名前のやつがいるんです。それがフルポンです。普段はフムロンに隠れていて全く姿を出さないフルポンですが、あることをきっかけに表に出てきます。そのきっかけとは、『時間の経過』です。
フムロンがホップのアルファ酸を変化させたものであるのに対して、フルポンはホップのベータ酸を変化させたものです。
【ホップの苦み 脇役】
ベータ酸→(時間の経過)→フルポン
時間の経過というのは酸化を意味しているんですが、本来ホップというのは酸化を極力避けて使わることがほとんどです。理由はとにかく沢山あるんですが、一つに苦みの主役であるアルファ酸を減らさないことがあります。アルファ酸が減ってしまうと苦みの主役であるフムロンが減ってしまいます。また、熱によって変化したフムロンも時間の経過とともに数が減ってしまいます。つまり大部分のビールと言うのは時間が経過すると苦みが減っていく使用になっているんです。
ただ、そこで登場するのがフルポンもフムロン同様に苦いんですが、普段は顔を出しません。どうしてかというと、酸化していない状態だとベータ酸は水に溶けないので、苦みを感じさせることができません。水に溶けるようになって、フルポンになってからようやく苦みとして顔を出します。
時間の経過とともにホップは酸化をし始め、アルファ酸が減ります。それとは反対にベータ酸は水に溶けるように変化していきます。時間の経過とともにアルファ酸よりベータ酸が優位になったホップを使用すると、フルポンが苦みとして登場します。良かったねフルポン。
また、製品になったビールも時間の経過とともにゆっくりですが酸化が進みます。フムロンが時間と共に減っていく一方で、ビール中のベータ酸は酸化されて水に溶けるようになり、ゆっくりと酸化してフルポンになります。
ホップの成分ではアルファ酸がどれくらい入っていますよ、と表記されてるのが当たり前ですがベータ酸の含有量は日本ではあまり見ません。しかし、長期熟成させるビールを作るときにはベータ酸の含有量も知っておくといいです。ホップの種類によって割合が全然違うので。
最期はちょっと難しい話になりましたが、ビールの世界にもかわいいフムロンとフルポンという苦み成分がいることを知ってもらえたら幸いです。興味沸くでしょ。ちなみにこのフルポンはフムロンの半分くらいの苦みしかないんです。その辺も控えめでかわいい。かわいいかわいいフルポンの紹介でした。
COMMENTS
コメントはまだありません。