こんにちは!ANTELOPEのブルワー谷澤(やざわ)です!
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今回の記事は”注目を集めるホップ6品種”紹介したいと思います!
新旧どちらでもビールに出会ったときにホップに想いを馳せてもよし、実際に育ててみてもよし、特徴を抑えてブルワーの考えや理想に思考をめぐらすもよし、ホップの細かい世界に足を踏み入れてみませんか。
では早速行きましょう!!
Hop Breeding Company(HBC)
ホップの品種を紹介していく前に、品種開発を行う主要な会社を1つ紹介したいと思います。
それが Hop Breeding Company
直訳すると、ホップを育てる会社というなんとも安直でわかりやすい。頭文字をとって HBC と略されることが多いです。ワシントン州ヤキマという地域にあります、こちらの会社は2003年に設立しました。Yakima Chief Ranches(YCR) と John I. Haas(Haas)とが合同して出来上がった会社です。どちらもホップを開発する企業でありまして、YCRが開発したホップには ウォリアーやシムコー、Haasが開発したホップにはミレニアムなどが代表されます。
このHBCなどが開発したホップなどは名前が付く前は、【HBC~号】のように番号をつけて呼ばれます。これはYCRなども同様で、シムコーなどはYCR14と呼ばれていました。これから紹介するホップもHBCによって開発されたホップが何個か出てきます。予備知識として導入しておきました。
Hop Breeding Company - Leading the Hop Research Industry
Hop Breeding Company is a collaboration between hop breeding company Select Botanicals Group and John I. Haas, Inc., to create new hop varieties for the beer industry.
ちなみに、これから紹介するホップの詳しい情報(オイル成分など)は以下のPDFファイルより探していただけると助かります。
https://yakimachief.com/wp-content/uploads/Yakima_Chief_Hops_Varieties_19.02.04.pdf#page=124
あまりにもニッチな内容ですので、ホップの別な成分を紹介するのはまた別の機会にしようと思います!
厳選ホップ6種
Ekuanot® (14.5–15% alpha acids)
まず最初に紹介するのが、Ekuanot®です。
このホップはまさに先ほど紹介したHBCによって2014年にリリースされました。HBC366 という型番で発表されたこのホップは、もともとは "Equinox" と名付けられていました。しかし、商標登録の争いのために2016年春に "Ekuanot®" に名称を変更しました。
使い方としては、香りを重視した”late hopping(後半におけるホップの使用)”で注目を集めていきました。
ちなみにピーマンは英語で Green Bell Pepper ともいうみたいです。α酸の数値が非常に高く、ビタリングとして使用するとかなりの苦みになるのが想像できます。香りが特徴的なので、ドライホップやワールプールで使用すると爽やかな香りを抽出できるかもしれません。
Loral® (10–12% alpha acids)
次に紹介するのが、Loral と呼ばれるホップです。
こちらのホップも比較的α酸値が高いのが特徴です。HBC 291 としてリリースされたこのホップは、特徴として”新旧どちらのホップの香りを持ち合わせている”というところです。別名として" Super Noble Hop" なんて呼ばれることもあります。
このノーブルホップというのは、ヨーロッパのザーツなどを代表する苦みも香りも柔らかいのが特徴のホップです。日本の大手が契約栽培しているホップもこのような特徴を有していますから、柔らかい香りのものが多いですね。
Scorpion Bowl, Exalted IPA, Vengeful Spirit IPA などでこのホップを使用したそうです。
Medusa (2.5–4% alpha acids)
三番目はメデューサ。
どうしてこのホップがメデューサと呼ばれているかというと、ホップの育つ形に理由があります。
この上記の画像を見てください。
普通のホップは一つのヘッド(毬花)を単独につけるのですが、このホップは複数のヘッドが同じ個所から生えています。これが、名前の由来です。また、ネオメキシカナスというホップの亜種(subspecies)としては、商業利用された初めての例であります。このネオメキシカナスというものは、ニューメキシコ州周辺で自生している野生のホップです。ヨーロッパ産のホップ(ノーブルホップ)とは異なり、荒々しく力強い香りの特徴を持ちます。
基本的に商業利用されるホップというのは耐病性が高く、収獲量が多いことが特徴です。
Pahto™ (17–20% alpha acids)
お次は、パフト。
高α酸値に注目がいきます。a酸値がどんどん高くなっていますが、この数値は相当高い方です。2018年にHBC682としてリリースされたこのホップはビタリングホップとして非常に人気が高まっています。まだまだ栽培面積が少なく、ホームブルワーが簡単に利用できる量がありませんが、人気のためすぐ栽培面積も増えると思います。
“smooth bittering profile with mild, pleasant aromatics.”
HBCではこう説明されています。
柔らかい香りに、なめらかな苦み。ポリフェノールが少ないんでしょうか。えぐみが少ない苦いが個人的にはスムースと表現されるイメージです。ちなみに、名前の由来は Mount Adams というワシントン州では二番目に標高の高い山の現地名だそうです。
Sabro™ (12–16% alpha acids)
サブロー。
紹介した中では一番名前が知られてるホップでしょうか。僕がバイトしていた志賀高原でも限定のIPAにこのホップが使われてることがよくありました。
アロマホップとしては、HBCがリリースしたものの中では比較的新種の部類になります。メスのネオメキシナスを軸にして交配させて作られたのがこのサブローホップです。今ではホームブルーでも使用するのがかなり容易になってきましたが、当初は”ロンメキシコ”というニックネームで呼ばれていました。ちなみにHBC438として登場し、名前が付いたのはシトラ、モザイク、エクアノットに続き4番目のHBCシリーズです。
Holy Mountain Brewing’s Sabro Fresh Hop (Seattle, Washington),
Cellarmaker Brewing Co.’s Sabrosa (San Francisco, California).
Strata® (11-12.5% alpha acids)
最後の紹介になるホップが、ストラタというホップです。
オレゴン州ポートランドで Indie Hops という会社とオレゴン州立大学との共同開発で2018年にリリースされたホップです。
実際にホップを嗅いでみるのが分かりやすいですが、普通出来ませんのでビールの香りをぐっと吸い込んでホップ畑に飛び込んでみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ちょっと古くはありますが、まだまだ一線で活躍するホップを6種紹介させていただきました。
ホームブルーをする人だけに限らず、原料を知るということは面白いことだと思います。特にブルワリーのサイトにはだいたいどんなホップを使用したなどと書いてあると思いますので、その原料の特徴をどう活かしているのか、どう使用しているのか、想いを馳せてみても楽しいかなーなんて。
単純に自分がブルーパブを開いたときに、『これなんのホップつかってんの?』『これドライホップしたの?ビタリングで使用したの?』なんて皆様から聞かれたら、最高に嬉しいし楽しいだろうなーってかんがえているだけなんですけどね笑
もう一度今回紹介したホップをまとめると、
②Loral® (10–12% alpha acids)
③Medusa (2.5–4% alpha acids)
④Pahto™ (17–20% alpha acids)
⑤Sabro™ (12–16% alpha acids)
⑥Strata® (11-12.5% alpha acids)
あれば是非飲んでみてはいかがですか。もしかしたら皆様にしかわからない新しい特徴が見つかるかもしれません。非常にうきうきです。
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