ドライホップの”ドライ”を探す

ドライホップの”ドライ”を探す

こんばんは!Ble_です。
先日の蒸留の記事でパワーを使い切ったと思いきや、ああいうことをすると逆に脳みそが活性化するかもしれません。
みなさんは、どんな記事が好きでしょうか。こんな記事が~、こんなことを知りたい~、など是非コメントやツイッターのDMで教えてくれると嬉しいです。

今回はとってもライトな記事にしてみました。
【ドライホップ製法のドライってなんだよ!】ってところです。

ビールに興味を持ち始めた方もちょくちょく耳に挟むドライホップ。
内容を知ると、よりドライの意味が見えなくなるドライホップ。その意味を探す旅に出てみましょう。

まずドライホップとは何か

せっかくなので日本のサイトによる説明を見てみましょう。
Japan Beer Times より。

In the technique of dry-hopping, the brewer doesn’t use any of the hops added during the boil, but rather tosses them in directly toward the end of fermentation,when the beer is just about done. At this point, there is no heat and the rather fresh hops give the beer aroma.

ドライホップにおいて、醸造家は煮沸中にホップを投入するんじゃなくて、”発酵終了あたり”でホップを投入するんだ。熱が入らない分、よりフレッシュな香りがビールに入り込むんだよ。と。

昔からホップは煮込むことで苦みをビールに与えられてきました。ホップの香味成分は揮発性の物質が多く、煮込むことでたくさん飛んで行ってしまいます。ホップの香りを楽しみたいという需要のもと、じゃあ熱を加えないでホップをぶち込んでやれという手法が出てきました。これがドライホップの始まりでしょう。しかし、煮込まない分、ホップによる苦み成分はほとんど出ません。

Dry Hop / ドライホップ
発酵終了(あたり)でホップを投入する方法。熱を加えないことで香りは多く抽出され、苦みは出ない。

ビアギークの方にも有益な情報を置いておくと、実は長時間煮込むことで現れる香りもあるようです。特にクラシックホップに顕著なようで、フローラルだと言われています。リナロールが関与している可能性も多いとかなんだとか。。
 
熱を加えないなら発酵中でも発酵終了中でもどっちでもいいんじゃない?と思われた方、僕よりもよっぽどブルワーとしてのセンスに富んでいます。実はまったく同じというわけでもないんです。

Dip Hop という兄弟

キリンが公式に開発したといっているディップホップ製法。
はて、ドライホップとどう違うのでしょうか。

ドライホップは発酵終了時にホップをぶっこむものとして、このディップホップは発酵中にホップをぶち込みます。いったいどんな違いがあるでしょうか。

*実際には、ディップホップという言葉がブルワリーで発生したのを聞いたことがありません。アメリカのホームブルーの本でもドライホップのタイミングで発酵中の例が出てきます。ですので、あまり固く考えずに発酵おわってるかなーくらいのタイミングは全部ドライホップでいいです。笑

さて、ディップホップ製法はどんな特徴があるでしょうか。フレッシュホップフェストというビールフェスのホームページを覗いてみます。

キリンビールが開発したディップホップという製法もあります。これはホップを発酵段階(上記6)で漬け込む製法です。これまでの方法では出せなかった複雑な香味を引き出せるということ

とのことです。ドライホップと違う香りになるぞ、ということですね。
実は今ではこれは結構知られているはずで、酵母がまだアクティヴな状態だとホップの香り成分を代謝経路を挟むことで、別の香り成分にしちゃうことが分かっているんですね。もちろん全てが解明されたわけでもないですし、実験的なところの話です。
ですので、正直マジックボックスなところがあるのがこの製法です。キリンさんのことなので、そのうち研究が進んだらそれこそ香りの扱いが段違いになっているかもしれません。ビールは化学ですからね。

と、これがディップホップ製法というものです。
参考書の端っこに乗ってるなーくらいでいいです。

Dry Hop の由来に迫る

ディップホップはここまでにしておいて、本題のドライホップのドライとは何かを追います。
が、ライトな記事にするためにあまり深く追求しませんのでお許しを。笑

ドライな形状のホップを使っているから?
ドライな香りがするから?
それとも他に知らないドライの意味があるのかしら?

で、先に言っておきますが、実は答えは明確にありません!
いつだれがこう言ったのかも分かりませんし。ですので、あくまで一番それっぽいを求めました。

How to Brew Beer | Homebrewers Association

The American Homebrewers Association is a not-for-profit organization dedicated to empowering homebrewers to make the best beer in the world.

 

こちらのサイトは、お家で美味しいビールを作ろう同好会 in USAです。
ここの掲示板にこんなものがありました。

Why is dry-hopping called dry-hopping?

きました。まさにこれですね。
どうしてドライって言われているのと。みなさんの答えを見てみます。

Probably because it rolls off the tongue better than Post-Fermentation Aroma Hop Addition.
発酵後アロマホップ添加っていうよりも語呂がいいじゃない。
PFA Hops! Sounds good to me. I love acronyms.
PFAって呼ぶのはどうかな?頭文字をとった言葉って僕好きだぜ!
 
真剣に質問した方がこれではあんまりにも可哀そうじゃないか!!!笑
別なのを覗きに行こうとしたときですよ、
 
My theory (and its just a WAG) is that the beer is dry, not the hops (well, in all likely-hood, the hops have been dried when you add them). That is to say, the yeast have converted most of the available sugars to alcohol and co2 when you add the "Post-Fermentation Aroma Hop Addition"
僕の考えでは(思いつきなんだけどね!)、ビールがドライってことなんだ。ホップがドライなわけじゃない(多くの場合、ホップはドライになってるけどね)。これはつまり、もし"発酵後アロマホップ添加"なるものをするタイミングっていうのは、酵母がすでに食べられる糖分をほとんど食べた後ってことなんだ。
 
おお!
思いつきというか、これでしょ!!!笑
どういうことかっていうと、発酵終了後っていのは酵母が活動を終えた後なので、もう食べらるような糖分あまりのこっていないでしょ、ってことはそれはDryって言ってもいいでしょ、と。そこにホップを加える製法だから、ドライホップ。
 
ドライホップのドライ
発酵終了時は、糖分が少ない状態。すなわち、ドライだ。このときにホップを入れるからドライホップ説。
 
終わり!!!
僕はめっちゃ納得したし、これ以上の説を考えられる気がしない。笑
 
といことでこんなライトな記事もたまにはいいかな🎈
 
 

ANTELOPEブルワー谷澤 優気
お酒が好きで醸造の世界に入る。日本各地での研修期間を経て、2020年3月滋賀県野洲市で国内初のクラフトミードハウス・ANTELOPE株式会社を共同創立。
「ちょっと深く知るとお酒はもっと楽しい」をテーマに醸造学を発信中。

志賀→浜松→掛川→滋賀県野洲市[now!!]

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