さらっと読むクラフトビール【薄さピカイチ】

2019/11/XX更新

こんにちは!Ble_やざわです。
今回は昨今のクラフトビールブームに今からでもしっかり乗っていこうという方に向けて、自分目線で色々なビールの面白さを紹介していこうと思います!

日本のクラフトビールをさらっと振り返る

まずは、そもそものそもそも

クラフトビールって何ですか?

Two Rabbits

と思ってる人に簡単な説明をしたいと思います。
まず、簡単に言うとアメリカでは明確な定義があるんですが、こと日本では?というと定義がありません
(訂正:確立は確かにしていないが、定義を作ろうという動きは高まっている。日本国内で再定義できるといいはず。)

ただ「大量消費・大量生産」を狙ったビールではなく、本当に美味しいビールをコストはかかるけどしっかり作ったビールという認識はありそうですね。もちろん、大手のビールもしっかり作っているんですが、大量生産・大量消費という側面は絶対に避けては通れません。
そもそも日本におけるクラフトビールの流れをつくったのは1994年の酒税法改正がポイントでした。

ビールの醸造の許可が降りるのは、人ではなく、「場所」です。

年間の生産量が規定量以上に醸造できる設備が整った場所であると認知されたら、そこに免許がおりるわけですね。
1994年までの酒税法では年間の生産量が200kLだったものが、年間60kLまで引き下げられました。

これは「ビール」の製造量であって、「発泡酒」はさらに低い6kLになりました。
これにより、大手並みの大規模設備をもつところしかビールの醸造ができなかったのが、気軽とまでは言いませんが、小さなところも参入できるようになりました。
そうして地元の活性化を目指した改革が進み、地方がこぞって「地ビール」と称して様々なビールを世に生み出していきます。

エチゴビールが第一歩などと呼ばれていますが、現在(2018年12月当時)僕がホールのアルバイトとして働いている志賀高原の玉村本店などもその先駆けとなった存在でした。大手が作る画一的なビールではなく、もっとビールの良さを知ってもらいたいという動きがあったわけです。
素晴らしいことで、見習わないといけない姿勢です。

しかし、その反面「お土産物ビール」として単純にビールを観光産業として捉えるという側面もありました。急いで設立したことで、「高くてあまり見合っていないビール」という評価が妥当なようでした。
もちろん当時のかたは必死で勉強して、美味しいビールを造ろうと考えていたと思うのですが、なにより時間がすくなかったことと、日本でビールの醸造についての研究が大手に独占されていたことが原因だと思われます。

そうなってしまっては、お客さんもあまりビールを飲まなくなってしまって、第一次クラフトビールブームは終焉を迎えてしまいます。そのため、「地ビールはあまりおいしくない」という認識がすこしばかり日本に広まってしまいました。

しかし、そんなブームの波にも踊らされずしっかりと美味しいビールを造っていくところは今もなお業界内では有名です。具体的に名前を挙げていくときりが無いのですが、とにかく素晴らしいところばかりです。そういった過去があって、しばらくクラフトビールの醸造所は数を激減させていきます。
このまま終わるかと思いきや、ヤッホーブルーイングをはじめとして様々なところで「エール」系のビールが注目を浴びます。

ヤッホーさんのすばらしいライ麦を使ったIPA。このカエルくんシリーズでは、個人的にセゾンが好きです。フェノリックな香りはそんなにないけど、バランスの良さ、香りはもう群を抜いて素晴らしい。というか、好き。

お次は、そんなIPAみたいなエールと呼ばれるビールと一般的に全世界で飲まれているラガーとではどんな違いがあるのかを説明したいと思います。

Ale/エールはこちら

【更新】そもそもビールとは??第三弾【酵母編part.1】


Lagar/ラガーはこちら

【更新】そもそもビールとは??第三弾【酵母編PART.2】

Ale と Lager

日本にかぎらず、世界的に見ても大量消費されていくビールはラガー系のビールです。なぜなら、大量生産がしやすく、その分安価で提供されるからです。(追記)今では、好き嫌いを作りづらい味といいますか、雑味のすくない味が場面を選ばずチョイスされやすいというのも大きな理由な気がします。
どうしてそうなるのかは別の記事で紹介します☜(んん??してないぞ!笑)

今は、ビールには大きく Ale と Lager があるということと、Lager 系のビールが大企業が得意とする分野であることをおさえておいてください。Ale 系のビールはクラフトビール業界では非常に多く、再度のブームとなるきっかけとなりました。
その理由は、

香りがラガーよりもはっきりしやすく、今までの飲んでいたビールと全く異なるものだった。
造り方の自由度が高く、地域性などを出しやすかった。
造るまでにかかる時間が Lager beer よりも短く、小さいところも参入しやすかった。

などの理由があげられます。
(レファレンスがないですけども、いま見てもそこまで間違っていることはいってないと思います。)

①の理由が特に大きく、日本の大手がつくるビールは味に多少の違いはあれど、普通の人は目隠しすればどこがどこのビールか判別するのは難しいと思います。それはそれで非常にすごいことで、味に一切の偏りがないことはまぎれもない技術の結晶です。
ですが、エールビールは香りがまず段違いで、柑橘系、フローラル系、ハーブ系とさまざまな香りにあふれています。

また、最初のクラフトビールブームの波に耐えたところは、サバイバルを耐え抜いたわけで、技術がまずしっかりしているはずです。着実に今でも名を広げていますよね。
次第に技術の発達が伝播していき、どんどん美味しいビールを造るところが増えてきました。そうして第二次クラフトビールブームといって良いのかわかりませんが、どんどん産業として数字を伸ばしてきています。
よなよなエールが有名なヤッホーブルーイングは生産量でオリオンビールに追いついてしまいそうなほどです。

これは20年前などは到底考えられなかったことで、「ぬるくてのどごし重視じゃないビールなんて飲めるか」というのはだいぶ古くさい考えになってきています。
もちろんどんな飲み方も自由で、飲む人がきめるべきですが、作り手もやっぱりこう飲んで欲しいなーっていうのはあると思います。

長くなりましたが、これが現在のクラフトビール文化のひとかけらのご紹介です。
今度はじゃあビールって何よ、散々出てきたエールとラガーって?ってところなんかを説明できたらなと思います!

ではでは🎈

 

ANTELOPEブルワー谷澤 優気
お酒が好きで醸造の世界に入る。日本各地での研修期間を経て、2020年3月滋賀県野洲市で国内初のクラフトミードハウス・ANTELOPE株式会社を共同創立。
「ちょっと深く知るとお酒はもっと楽しい」をテーマに醸造学を発信中。

志賀→浜松→掛川→滋賀県野洲市[now!!]
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