Homebrew Your Own より①【Master Spice】

Homebrew Your Own より①【Master Spice】

2019/11/07更新
古い記事の文体は記念に残しながら、少し読みやすく、また追記する情報もたくさん足していければ幸いです。ちょうど一年前くらいの記事ですね。
では、早速はじまります。

BrewYourOwn より抜粋

Master the Spice: Options and approaches to additions

これからHYOの記事なんかを完結にさくっとまとめてみなさんと様々な情報を交換したり、参考にしてビールに興味を持ってもらえたらと思います!

ではでは早速!
とにかくまずホームブルーの強いところっていうのは、飲みたいんだけど、そんなビール無いよなー売ってないなーというところにアプローチできるところですね。
特にスパイスなんて言うのは自分のオリジナルの香りや雰囲気をホップだけに頼らずに引き出せるところに最大の魅力があります。
(←一年前はホームブリュー絶対主義者でした。色んな人の話を聞いていくうちに、どれだけ浅はかだったのかを思い知りました。いまはホームブリューの是非は明言しません。美味しいビールの形はたくさんあります。)

Spicing the Beer When

登場人物は基本的に記事の作者と思ってください。

まずはスパイスを使ったビールを造ろうと考えときには、後ろのほうから考えるのが好き。つまり、いつスパイスを入れるかというところから、早いタイミングに入れれば、香りは現状のものより変化する量も多くなり、想定している香りをコントールするのはより一層難しくなる。例えば、はじめてカボチャとスパイスを使ったビールをつくったときに、シナモンをボイリングの最初から入れて、量も多かったのだが、香りがとがって、心地よいものとはいえないものになってしまった。

As a rule, I add my spices post-fermentation I have a compelling reason not to.

よっぽどの理由がなければ、私は発酵前(ボイリングが終わって発酵いくで!!ってとき)にスパイスを加えます。もちろんどんなスパイスだって、熱して使う方がいい香りがするときもあるし、熱するといい香りが飛んでしまうものだってある。
経験上、レモンやオレンジピール、例えばローズマリーなんかもボイリングかマッシュでいれてやったら成功したことが多かったで。ただ、信頼できるレシピで何度も何度も作って自信のあるものじゃないと熱によってかわる香りをコントロールするのは非常に難しい。
熱しないで使う(つけ込んだりしたり)と香りや味は想像通りのものになりやすく、コントロールもしやすい。その分、飛ばしたい香りも残る

  When an ingredient isn’t used often enough to develop a reliable recipe, then control, control, control is the name of the game.

自信がつくまで、たくさん経験を積みましょうということですね。
知識をつけるのも直線的なアプローチでしょう。特に以下の書が非常に良書という声をよく聞きます。英語が読める方はどうぞチャレンジしてみて下さい。

The Drunken Botanist | Amy Stewart

The Drunken Botanist The Plants That Create the World's Great Drinks Algonquin Books * 2013 A New York Times Bestseller! Order signed copies here. Sake began with a grain of rice. Scotch emerged from barley, tequila from agave, rum from sugarcane, bourbon from corn. Thirsty yet?

Spicing the Beer: How

このセクションでは基本的に発酵後にスパイスを使用するものと仮定しますが、もし別な段階でスパイスを使いたいと想像しているのであればそれはそれで全く問題は無く、スパイスを使うためのプレップとメソッドを紹介していく。
まず最初のプレップは、スパイスそのものについて。
コーヒー豆やシナモンスティックなんかはよく使われるけど、これらはそんな準備が必要ないから置いておいて、そのほかのスパイスだったりは潰したり、挽いたり、裂いたりする必要があるものがほとんどである。
挽くのよりも、潰すことをおすすめする

Prep: prepare の略で、準備とか宿題なんて意味で使いますね。

スパイスは基本的に表面から内部が露出する割合が高まるほど香りや成分は抽出されやすい。とすると、挽いたほうがマックスの香りが出そう(←潰せば潰すほど香りも多くでるが、その分余計な成分もたくさんでる可能性があることを意識しながらレシピを組むのが大切)。
しかし、コントロールの話に戻っちゃいますが、強烈な香りというのは扱うのが難しく、ベストな状態を維持したり見つけるのは困難。

香りはいつだって足すことはできるけど、引き算はできない。

スパイスの使い方の一つとして思い浮かぶのは、目の細かいメッシュにスパイスを入れて1,2種類ほどつけ込むのがある。
ものによっては1時間で味がつくものもあれば、数時間、あるいは数日かかるものもある。スパイスの特徴の出方はその都度トラッキングしておくのが大事(メモっておけよ、ということ)。
スパイスから香りができったあとに、その香りに満足しないからといってむやみに足さない。最初のうちはとにかく入すぎには注意すること。
引き出しきれなかったのも一つの経験。

A Tincture: チンキといっても想像がしづらいが、今からちょくちょくでてくるこれは、(スパイス)溶液とでも訳そうかな。(←今みても、何を言っているか分からない。ヨードチンキという言葉をなんとか分かりやすく伝えたかったのだろう)

スパイス溶液を作っちゃうのは、スパイスをつけ込むのとおんなじ、あるいはそれ以上の効果を発揮することがある。作り方は非常に簡単で、ウォッカなどのリキュールにスパイスを60分、待ちきれないなら30分でもいいのだが、つけ込む。
香りが弱くても全く心配しない。そしたらもう少しつけ込んでおいたらいいだけだ。
こうしてできた溶液をビールに加えてしまえばいいだけである。様々なスパイスで作って、それぞれをミックスして、自分だけの香りを探してもいいし、なにをしてもいい。

なるほどなー
でもこのチンキなる溶液はいつどこでいれるかで揮発性云々が絡むから扱い方もしっかり考えないとね
調べればわかりそうなことも、一度試してみて、心身に香りを刻み込むのがいいのかもしれません。

ではでは、実際にどれくらいの量のスパイスを使ったらいいのだろうか。
ざっくりいってしまえば、レシピによるし、スタイルにもよる。たくさんのレシピがあるし、たくさんの文献があるから読んでみたらいいかもね!

おいいいいいいいいい!!!笑
意味ないいいいいいい!!!笑
ここで終わるわけがないのがBYOなんですね。

もし、読んだものに信用がおけないなら 
Family of Fourという一つの基準を紹介する。

どんな使い方でも良いが、スパイスを使った料理を振る舞うとする。
マリネでもいい、かすかな香り付けでもいい。
4人の家族に6皿分の料理を振る舞うときに使うと想像されるスパイスの量を考えてほしい。

それがざっくり19L(5ガロン)のビールを醸造するときに使うスパイスの量くらいだ。

これはあくまで一つの考え方の指標であり、もちろん大事なのは経験をつんでいくことなんだけど一つの指標としてこういうのがあるのはとても大事なことですよね。

Finding Your Spice

スパイスの鮮度は非常に大事。どんなスパイスも同様に酸化してしまうからである。
酸化それ自体が香りを関知できるようなものを発するわけではないが、着実に香りが薄れていってしまう。ショップ選びももちろん重要だし、買った後にどうやって保存するのかも重要。色んな方法があるけども、真空パックや、なければ冷凍庫での保存がベストかもしれない。かなり香りに影響の与えるものなので、ここはかなり気をかけるべきである。

←実際これはかなり大切。食品を扱う上で、鮮度をどう保つか、あるいはどうやって酸化させてしますかを理解して、行動に移せるかは本当に大切。例えば、酸化は高温なら高温のほど反応は早いはずだから冷凍庫で保存するのも一理ある。そもそも酸素を追い出すために、二酸化炭素で置換するとかも。二酸化炭素は空気よりも重いから溜まってくれます。
*空気が28gだとしたら、二酸化炭素は44gくらいあります。比較として。

Spice Up Your Life


ここまで読んでくれたらもうあとは経験を積んでいくこと。

 I don’t mean that in the “throw something in and hope for the best” sense. I mean, keep good records, add spices to only part of a batch (or, even better, split it into five mini-batches and dose each differently), and learn from your results.
”やってみたらうまくいった!”を願うことを意味してるわけじゃなくて、こまめに記録をとり、スパイスを一定量だけ入れてみて(ときに裂いたものをミニバッチにそれぞれ入れて、香りの違いを感じるのもいいかもね)、あとは結果から学ぶこと。

スパイスを使ってビールを作るのは、ときに驚くべきほど賞賛されることだってあるし、ときには全くうまくいかなくて狂ってしまうことだってある。 
その香りがどこからきて、いつきて、どのように出てきたものなのかをコツコツ学びのが最大のメンタル防御法。念頭に置き続けたら、自信はすぐについてきます。

以上!いかがでしたでしょうか、スパイスビール。

美味しいときもあるし、あかんときもある。
経験と勉強を積んで、小バッチに小分けして学ぶのもよし。
足らないということは、足せるということ。(←良いこと言ってますね。)

すぐに過剰投入となってしまうスパイスは慎重にね!

終わりに

2019/11/07に記事を更新しました。
意外といいこといっていたり、まだまだ理解が足りてなかったところもありました。一年前とどれだけ成長しているのかなと思って、読み返してみると感慨深いところでした。
この記事も恐らく、志賀高原のレストランで営業前に早起きして書いていた気がします。当時のことを振り返りながら更新しています。また来年、更新してみたときにどんなことを更新できるのか楽しみです。

少しずつ、少しずつ。
日進月歩じゃないですが、ビールの面白さ、魅力を分かりやすく伝えていけたらと思います。
醸造技術の発展が日頃の議論から生まれることを祈って。

ANTELOPEブルワー谷澤 優気
お酒が好きで醸造の世界に入る。日本各地での研修期間を経て、2020年3月滋賀県野洲市で国内初のクラフトミードハウス・ANTELOPE株式会社を共同創立。
「ちょっと深く知るとお酒はもっと楽しい」をテーマに醸造学を発信中。

志賀→浜松→掛川→滋賀県野洲市[now!!]

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