白いビールを簡単に学ぼう【白色】
こんにちは!都立国立高校出身のやざわです。
順番にぼちぼちと更新していたら、白ビールの記事をクリスマスイブに更新してるんだけど!笑
明日とか楽勝飲みいけるんで誘ってくれ?🎈笑
とりあえずやりますか。
前回は焦がした原料が色味やボディ感を特徴づけた黒ビールの紹介しました。
黒と来ましたので、今回は、白ビールを。
もうこれでビアバーなどにいっても、自信満々にビールを注文できるようになっちゃいましょう!そんでもって、今日は黒の気分、いいや私は白の気分、そんな会話が生まれたら僕としてこんなに嬉しいことはありません。
前回の記事はこちら☟
黒いビールを簡単に学ぼう【黒色】
白ビールとは
さて、前回は黒ビールは焦げた色から黒い色がつくことを説明しました。今回のテーマは白!
どうして白ビールというと、やっぱり色。白ビールというのは、基本的に白っぽい色のビールであります。
真っ白じゃないけど、白ワインの白っぽさ。カルピスとビールを割ったビアカクテルなら、本当の白ビールになるかもしれませんね。冗談は置いておいて、白ビールとは小麦を一定量使ったビールの名称です。ただ、近年のHazyだったり、セゾンにも小麦は使われることがあります。つまり、小麦を使ったら白ビールかというと全くそんなことはありません。僕の親父が「あっこれ小麦つかってるのか、苦手なやつだ」という偏見がありまして、未だに誤解を解ききれません。
また、どうして白くなるのかを少しずつ説明しますが、その前に今回のビールの主役を紹介します。
小麦を麦芽化する
小麦粉、小麦という単語はたくさん聞いた事があると思います。
こちらが小麦の画像です。
こちらが小麦麦芽の画像です。この原料を中心にすると、黄金のような色になるのはなんとなく想像できるでしょうか。本題なんですが、小麦麦芽は小麦を発芽させたものです。
この工程の流れは、大麦が麦芽になるのと一緒です。どうして麦を発芽させるのかというとβグルカンという物質を溶かし、糖分を引き出しやすくするためです。それ以外にもアミノ酸の発生などの理由があります。
白ビールというのは、この小麦麦芽を中心に使うこともありますし、麦芽化してない小麦を中心に使うこともあります。小麦麦芽を中心に使うものだと、ドイツのヴァイツェンと呼ばれるスタイルが有名ですね。麦芽化していないものを使うスタイルでは、ベルギーのウィットというスタイルが有名ですね。
麦芽と小麦麦芽の違いって??
基本的に麦芽、というと大麦麦芽を指します。どうしてかっていうと、英語でmalt が大麦麦芽を示し、Barley が大麦を示すという区分があって、小麦はどうかというと、小麦がWheat に対して、小麦麦芽は Wheat malt と呼ばれます。大麦麦芽をずっと使ってきたからかと思います。
では、ビールの原材料としてどのような違いがあるか検討してみましょう。
【小麦麦芽の特徴】
①外皮がなく、ポリフェノールの抽出量が少ない。
②タンパク質含有量が大麦麦芽よりも高め。
③スタックの原因になりやすい。
④麦芽にはない甘く、独特の香りがある。
よく言われるのがバナナとかクローブ(香辛料)とか言われますね。僕自身はまったくバナナだなあーと思うことはなくて、むしろクローブの方がよっぽど近いと思っています。(2019年2月15日)
昔は、この程度の感想で終わっていたのでもう少し情報を足していきたいと思います。ちなみに、感想のレベルだと最近はちょっとバナナ感あるなーと思うビールにも出会えてきました!
このバナナとかクローヴというのは香成分由来なのですが、それは酵母が出す物です。バナナでいえば、イソアミルですし。クローヴで言えば、4VGという物質です。これらが発酵を通じて発生します。発酵を通じるならば、どんなビールにも同様に出るのでは?と、なりますが、ここには僕もまだ理解し切れていない科学が潜んでいます。
香り成分と小麦麦芽の関係
この話をするのには、マッシングとスタックの関係が必ず出てきます。長いので、無視してもいいです。
【マッシングからスタックするまで】
簡単に説明すると、マッシングとはビールの原材料をお湯に浸す作業のことです。これにより、麦芽内の酵素を働かせた麦のジュースを作ります。これをウォート/Wortと呼びます。このウォートを煮沸する必要があるので、麦芽と分離しますが、そのときに麦芽そのものを利用してウォートを濾します。麦芽は重たいので底の方に沈みグレインベッドと呼ばれる麦層を作ります。この麦層の下には、False Bottomといって麦芽が通れない程度の無数の穴だったり、スレッドが空いていたりします。False Bottomを通じたウォートは循環させられ何度も麦層の上を通過させられます。これにより、回収してきれていない糖分を回収したり、ウォートに混じった細かいゴミ(穀皮だったり、もろもろ)を取り除きます。これらを取り除く理由は、煮沸すると余計なポリフェノールを抽出するからです。
こうしてウォートは麦層で濾過されて綺麗にされるのですが、たまにウォートが濾過できず詰まってしまうことがあります。これをスタック/Stuckと呼びます。発酵がプッチンと止まることもスタックすると言うんですが、一旦置いておきます。スタックの原因は色々と考えられますが、大きな原因は2つ。精麦がきちんと進んでいないこと、あるいは、麦芽が細かすぎること。精麦がきちんと進んでいなかった麦芽は、タンパク質とβグルカンが分解されていない状態です。そのため、麦汁の粘土が高くなりがちです。特に、βグルカンは一定の力を加えるとゲル化する可能性があり、まったく水分が通らない膜ができるようです。今の麦芽は精麦が進んでおりますが、小麦麦芽は根本的にタンパク質の量が豊富です。そのため、大量に使用する場合はプロテインレストといって、プロテアーゼをマッシングで働かせあげる方法がスタック防止のためによく採用されていました。
もう一つの原因である麦芽の細かさは単純に、濾過槽の目が細かくなるから濾過に時間がかかるだけです。小麦は根本的に小さいので詰まりやすいです。麦芽を細かく挽くと、一般的に糖分収率があがりますので、欲とスタックとの兼ね合いが必要です。
【プロテアーゼを働かせること】
プロテアーゼを働かせるには、マッシングの温度を45~50℃に保つ必要があります。その一方で45℃付近では、フェルラ酸が発生します。そのフェルラ酸は4VGの前駆体なので、特定の酵母【POF+など】を通じてビール中にクローヴ様の香りを残します。
つまり、小麦を使用することによるスタックの防止が一つの要因となって、4VGが多めにビールに発生することになるのかなと。僕の仮説ですが。別なブログでは、数人にフェルラ酸を増すプログラムを介したものとそうでないものでも、味に明確な違いを感じなかったという結果になったというものもありました。
ただ、科学的にはこの工程を通じることで4VGが増えることは間違っていないとは思います。
POF/phenolic off-flavor のことですが、最近は”PAD1+”と呼ぶこともあるみたいですね。何を指しているかはまじで調べても分からなかったです。
白いビールの特徴
【更新前の特徴】
特徴① 甘く、小麦由来の香りがしやすい。
特徴② 苦みが少ないものが多い。
特徴③ 黄色味が強く、濁っているとより白くみえる。
これが半年前の僕が書いた特徴です。なんだか、ぱっとしないし、どこにそんな論拠あるの?って感じですね。ちょっと付け加えてみたいと思います。
ー特徴① 甘く、小麦由来の香りがしやすい。
小麦の麦芽は食べてみるとわかるのですが、ほんとにBreadyで、甘みが強いなと感じます。しかし、その糖分がきっちりビールに残ることはないです。香りは結構残る経験が多いですが、使う量、酵母、製法にもよってきますね。
ー特徴② 苦みが少ないものが多い。
スタイルによる。以上。
ただ、クラシックなスタイルに関しては、どれも苦みを抑えて作るのが特徴です。バランスが非常に重要なスタイルなので難しいスタイルです。
ー特徴③ 黄色味が強く、濁っているとより白くみえる。
これは間違っていません。小麦麦芽、あるいは小麦は色味が薄く、使用量が増えればもちろん色味は白っぽくなります。無濾過で酵母が残っている状態ならば、余計に白く見えます。
ー特徴④ 泡持ちが良いことが多い。
ビールの泡持ちはタンパク質とイソα酸が重要なファクターとなります。タンパク質が豊富なビールは泡持ちが良いことが多いといっていいです。小麦は大麦に比べてタンパク質量が多いので、自然と泡持ちがよくなりやすいです。しかし、プロテインレストというマッシングプログラムを組むとタンパク質が分解されてしまいます。現代では、あまり採用されないプログラムですが、色んな理由で採用しているところもまだあります。スタックが原因で採用するのはあまり良い手段ではないですから、特に若い人には味わいを理由に採用することを奨めます。スタックはいくらでも防止する方法があります。
ー特徴⑤ 一定量までなら濁りやすい。
ビールの濁りは色んな要因がありますが、一つにはタンパク質とポリフェノールの結合があります。煮沸時にブレークせずに残ったタンパク質やポリフェノールは結合して濁りとなります。小麦はタンパク質が多いですが、ポリフェノールが少ないです。ポリフェノールは大麦麦芽やホップから一定量供給されますので、一定量の小麦を使用したビールは濁りやすくなります。しかし、8割ほど小麦を使用すると、ポリフェノールの量が減り、非常にクリアなビールになる、と聞いたことがあります。理論的にも正しいかなーとは思います。
面白いですよね。
『泡持ちがいい』というのは嘘??
おお。こんなことも書いていたのか!笑
更新してみるとやはり面白いですね。
古くから発達している白ビールは泡持ちがいいとされてきました。聞いたことがある人も多いかもしれません。ここからは僕の完全な考えで、いやぜんぜんちゃうぞ!となる方は是非ご教授頂きたいです。僕もまだまだ知識が非常に浅く、与えて頂けるのであればどんな知識も頂戴したいです!
ビールの泡持ちというのは、基本的にタンパク質とホップのオイル成分が関係しています。小麦麦芽というのは、タンパク質を麦芽よりも多く保有している点ではこの泡持ちというのが良くなるはずです。しかし、昔ながらの作り方では、このタンパク質を分解する工程が小麦麦芽を使用したビールに採用されていました。タンパク質多いから泡持ちええで。でもそのタンパク質分解させちゃう。つまり、昔の白ビールの作り方では結局泡持ちを良くするタンパク質っていうのは残らないはずなんですね。じゃあどういうことかっていうと、昔の普通のビールに比べたら、白ビールのほうが泡持ちがいいくらいだったんじゃないでしょうか。たぶん幾分かは小麦由来のタンパク質が残ったはずだし、作り方がまだ未熟な頃はおそらくタンパク質を分解する工程で分解しきれてなかったのかもしれないし、大麦麦芽100%のビールに比べたら、多少はタンパク質も多く、同じ量のホップを使用しているとなれば、それは多少は泡持ちはよくなるはずです。
ですが、現代のクラフトビールの世界では白ビールがなんでもかんでも泡持ちがいいわけではありません。泡の作り方だって色々ありますし、家庭用洗剤で洗ったグラスでは泡持ちがよくなりづらいし、色んな要因が泡持ちには絡みます。
というわけで、もし白ビールをこれをきっかけに飲もう!!と思われた方は、『泡持ち良くない!だめな白ビールだ!!』などとは決して思わず、素敵な香り、味を楽しんでみてはどうでしょうか。もちろん、泡持ちがいいよ!と謳っているビールに関しては泡持ちをしっかり評価してあげた方がビールも喜ぶとは思います。
ホップのオイル成分とは何を指しているか不明ですが、イソα酸とは認知していなかったのは間違いないですね。
けど総じて悪いことは言ってない!笑
泡持ちに関して言えば、色んな要因があります。例えば、アルコール度数が高いと泡持ちは悪くなります。だから、ハイアルコール版ヴァイツェンとかを作ってみたら思ったほどモチモチにはならないかもですね。
代表的なスタイル
昔の僕が紹介するビアスタイル。面倒くさいので訂正はまたこんど笑
Weizen ~ヴァイツェン~
ドイツ南部で作られている代表的な白ビールのスタイルです。日本では一番聞き慣れた白ビールのスタイルではないでしょうか。
特徴としては、すっきりとした見た目で、濁っているものはそこまで多くないかと思います。また、ホップをふんだんに使用するようなビールでもないので、小麦麦芽由来の甘美な香り、でも決して甘過ぎない香りが、なんとも飲み欲をそそり、口当たりが優しく、でもしっかり飲み応えがある。
そんなビールです。クラフトビールが好きになりました!という方はこちらのビールを飲まれたことがきっかけになった方は多いのではないでしょうか。大手が造るビールはあんまり、、、苦いのはちょっと、、、という方は、まずこのヴァイツェンを飲んでみると面白いかもしれません。手に入りやすく、味わいも素晴らしいのが、
【銀河高原ビール】さんの白かなーと思います!
特徴的なものを感じやすく、やわらかーいです。近年、ヤッホーブルーイングと協力しましたので、コンビニなどでも買えるようになってきたのが嬉しいですね。コンビニになければ、どこか大きなスーパー、酒屋などにはきっと入っているのではないかと思います。是非是非、飲んでみて、そしたら感想教えてください!笑
Wit~ベルジャンヴィット~
ちょっと聞きなじみのないスタイルでしょうか。単にウィットと呼んだりもします。一番の特徴は、オレンジピールやコリアンダーなどの副原材料を使用して風味付けすること。フルーティーな香りの白ビールにより一層華やかでスパイシーな香りを足しちゃった、そんなビールです。
味わいはヴェイツェンよりも華やかで、口当たりも非常に滑らかな印象です。飲み比べて、どっちが好みかやっても楽しいでしょうね。他にも特徴として、麦芽化してない小麦を(クラシックなスタイルなら)50%使用している点です。
これにより、口当たりが非常に滑らかなものになります。少量の生のオーツ【燕麦】をいれるところもあるみたいです。
⇒ここだけ昔の僕は、あまり認知していないはずなので付け加えます。
麦芽化していない小麦はタンパク質が大きい状態で残っています。麦は麦芽化していく工程でタンパク質をアミノ酸に変えて栄養として蓄えるからです。タンパク質は、Mousefeel/口当たりと大きな関係を持ちます。タンパク質が豊富なビールは滑らかでシルキーに感じます。麦芽化していない小麦を使う理由はここにあります。
代表的なのは、《ヒューガルデンホワイト》でしょうか。
超有名ですので、まだ飲んだことない!って人は飲んでみると面白いんじゃないでしょうか。
まとめ
最後は駆け足で更新となりました。
分からないところは僕もまだ沢山ありますし、いつだって気づかせてもらえるのは素朴な疑問です。是非、コメントなどでおしえて頂けると幸いです。
冬には白いビール飲みたくなりますでしょうか。夏の方が似合いますか。人それぞれですね。
そういえば、更新している今日はクリスマスイブです。
えーと。何しようかなー笑
無印良品のセールやってるし、爆買いしたろかな🎈
ではでは、メリークリスマス🎈🎈🎈
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