【milk】とっても短いバターの話【ちょっと解説】
こんにちは!谷澤です。
今日は、打って変わって違う話をしたいと思います。バターの話。振って作るのはバター?チーズ?ざっくり見てもらえたら幸いです。チーズの話は下からどうぞ!
牛乳振ったらバターになるの?
牛乳を振って作るものといえば、バターが有名ですね。
普通の牛乳からはバターを振って作るのは難しいのですが。とりあえずいってみましょう。
牛乳の脂肪分はそのほとんどがTriglyceride[トライグリセライド]という成分です。一般的に油と指すものはこれが圧倒的に多く、特に動物の脂肪組織の95%はこのtriglycerideのようです。その脂肪分をMFGM/ Milk Fat Globule Membrane という膜が覆っています。直訳が、乳脂肪球膜!この膜は、タンパク質とリン酸脂質が複雑に絡み合った膜のようです。
このMFGMが、脂肪分と脂肪分がくっつかないようにしてくれています。
この乳脂肪分に衝撃を与え続けると、分子同士が衝突!衝突!最終的にMFGMが壊れてしまいます。膜が壊れると、そこから漏れ出た乳脂肪分同士がくっつきはじめてしまいます。くっつきはじめた乳脂肪達が空気を一緒に巻き込んで巨大化したのがホイップクリーム。一定量の乳脂肪がないと空気を巻き込んでくれる仲間が少ないので、牛乳をいくら泡立ててもホイップクリームにならないわけですね。
ホイップクリームは乳脂肪分が35%くらいからできるみたいですね。
出来上がったホイップクリームを更に混ぜ続けるとどんどん固くなってきます。これはどんどん脂肪分がくっつくのと同時に巻き込んでいた水分や空気が外に逃げていくからみたいです。
参考:牛乳の脂質
ということで、液体と固体になりましたその固体こそがバターな訳です。バターは80%がしぼうということで、35%の生クリームから水分が以下に抜けたか容易に想像つきますね。
均質化牛乳/homogenized milk
市販の牛乳では振ってもバターができないのは、homogenized(均質化)という工程がされているからです。
どういう工程かというと、乳脂肪分の大きさを小さく、小さく均質化するものです。どうしてそんなことをするのかという乳脂肪を安定化させるためです。
絞りたての牛乳は乳脂肪の大きさにばらつきがあり、大きいものどうしは傷つきやすく固形化してしまう可能性があります。消費者に届くまでに、どんな扱いを受けて届くかまでを生産者の方は知ったことがないですが、それで買った牛乳野の中がバターになってましたって言われるのも癪です。
ですから、どんな運び方をされようと必ず”牛乳”として存在してもらうために、均質化するんです。きっと。笑
non-homogenized milk
絞りたての牛乳は均質化がされていません。
つまり、どういうことかという味わいが全く違うみたいです。特に牛乳の脂肪っぽさを感じるみたいです。僕は、北海道で絞りたての牛乳を飲んだときにグラッシーな感じがして、最高に感動しました。乳っぽさよりもグラッシー感があった!たぶんmyrceneが入っていたんだと思う。
均質化されてない牛乳は、脂肪分が大きくばらついてるので、ランダムにぶつかる回数が増えて、振ってあげるとどんどん脂肪分がくっついて固まってきます。この脂肪分の塊を液体と分離したものが、振って出来るチーズの正体です。
じゃあその間にホイップクリームはないのかよって思いますよね。これはホイップクリームというのが特殊なもので、脂肪分が固まる前段階の網目状に連なり始めたところに空気や水分を巻き込んでいるんです。乳脂肪が少なく、水分が多すぎる牛乳では全体に編み目を張るほどの脂肪分が足りないんです。でも、振れば脂肪同士はどんどんくっつくはずで、網目状にはならなくても小さくはまとまれるみたいです。
バターの80%が脂肪なら、特濃牛乳でも絞りたてを振ってできるバターは元の10分の1にもならないんじゃないでしょうか。
それっぽく作ろう|バター
バターを家で作る方法をまとめます。
市販の牛乳は、homogenized 加工(乳脂肪分の球を小さくして、均一化する加工)をされていることがほとんどですので、それからはバターを作ることはできません。
バターを作る方法は、乳脂肪をひたすらぶつけ合うという作業なので、
- 生クリームを攪拌し続ける
- non homogenized の牛乳(ノンホモ牛乳)を攪拌し続ける
この2つの方法です。ただ、バターの作り方は至ってシンプルで、あまり複雑な工程がないので別のサイトを☑します。ノンホモ牛乳から作る方法と、生クリームから作る方法のリンクです。
牛乳から作るバターの作り方!(ノンホモ牛乳)
タカナシ乳業|手作りバターの作り方(生クリーム)
ただ、注意すべき点は、塩を入れるかどうか。バターに塩を入れると、浸透圧の関係で脱水が進み、そのおかげでコンタミ(細菌汚染)のリスクが減少します。いづれにしても早いうちに食べるのが吉(生クリームと同じ)です。よっぽど思い入れのあるノンホモ牛乳から作る場合以外は塩を少し入れる方が安心かな~と思います。
おわり
終わり。
これは実はチーズのお話をする序章として書いているものです🐁
なんでチーズかというと、なんとなく興味が沸いたから夜は調べることにしたんです🐁
どんどん書いていきましょう!
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